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交通事故の不起訴処分とは?

交通事故の不起訴処分とは、事故を起こした加害者が刑事事件として起訴されず、裁判に進まないことを意味します。

交通事故が発生すると、警察は事実関係を確認したうえで検察庁へ送致し、検察官が「起訴するかどうか」を判断します。

しかし、加害者の過失が軽微であったり、被害者との示談が成立して被害感情が和らいでいる場合、あるいは加害者に反省や賠償の意思が十分認められる場合には、検察官が社会的制裁の必要性は低いと判断し、起訴しないという結論に至ることがあります。

 

不起訴処分には、証拠が不十分で犯罪が立証できない場合に行われる「嫌疑不十分」と、犯罪の成立は認められるが処罰の必要性が乏しい場合に行われる「起訴猶予」があります。

特に交通事故では、被害回復が適切に行われ示談が成立しているかどうかが重要な判断材料となり、示談の有無が起訴猶予の決定に大きく影響することがあります。

 

不起訴処分となれば刑事裁判は行われず、前科もつきませんが、民事上の賠償責任が消えるわけではありません。

被害者への損害賠償は別途履行する必要があり、また行政処分として免許取り消しや停止が科される可能性も残されています。

このように、不起訴処分は刑事手続きにおける結論であり、事故の責任が全面的に免除されるわけではない点が特徴です。

交通事故の代行運転とは?

交通事故における「代行運転」とは、主に飲酒などの理由で自分で安全に運転できない状況の際に、運転代行業者が依頼者に代わってその車を運転し、自宅などの目的地まで運転サービスを提供することを指します。

通常、代行運転では2人1組の運転手が出動し、1人が依頼者の車を運転し、もう1人が後ろから代行業者の車で追走します。

目的地に到着後、依頼者の車を届けた運転手は追走車に乗って帰るという形が一般的です。

 

このサービスは、飲酒運転の防止や安全確保のために広く利用されています。

日本では道路交通法により飲酒運転が厳しく禁止されており、違反した場合には重い罰則が科されます。

そのため、飲食後に自分の車を運転して帰宅できない人が、代行運転を依頼するケースが多く見られます。

また、体調不良や急な眠気、服薬の影響などで安全運転が困難な場合にも利用されることがあります。

 

ただし、代行運転中に交通事故が発生した場合の責任は、原則として実際に運転していた代行業者側が負います。

業者には「代行運転保険」への加入が義務付けられており、万が一の事故に備えた補償体制が整えられています。

一方で、無許可業者や保険未加入業者を利用するとトラブルに発展する恐れもあるため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。

代行運転は安全かつ法令に則った移動を実現する有効な手段と言えます。

交通事故の他覚的所見とは?

交通事故の「他覚的所見」とは、医師などの第三者が客観的に確認できる身体的な異常や損傷のことを指します。

これは、被害者本人の訴えや自覚症状とは異なり、医療的な検査や診察によって裏付けられる「外から見て分かる証拠」として扱われます。

たとえば、レントゲンやMRI、CTスキャンなどの画像検査で確認できる骨折や椎間板ヘルニア、打撲による腫れや傷痕、神経反射の異常などが典型的な他覚的所見です。

 

この所見は、交通事故の損害賠償請求や後遺障害等級認定において非常に重要な要素となります。

というのも、慰謝料や後遺障害の認定は、医学的に「証明可能な障害」であるかどうかによって大きく左右されるためです。

たとえば、交通事故後に「首が痛い」「しびれがある」といった自覚症状だけでは、客観的な証拠が乏しいと判断されることがあり、損害賠償額が低く抑えられたり、後遺障害として認定されないケースもあります。

 

そのため、事故後はできるだけ早期に病院で詳細な検査を受け、他覚的所見を医師に記録してもらうことが極めて重要です。

診断書や検査結果として残されたこれらの所見が、後の保険会社との交渉や訴訟において、被害者の正当な主張を裏付ける重要な証拠となるのです。

 

このように傷害慰謝料は、被害者の精神的損害を公平に補償するための重要な制度であり、適正な金額を受け取るためには、医療記録や通院日数の証明、弁護士による専門的な交渉が有効とされています。