交通事故の「損害賠償金」とは、交通事故によって他人の生命・身体・財産に損害を与えた加害者が、被害者に対してその損害を補填するために支払う金銭のことを指します。事故による損害は多岐にわたり、治療費や通院交通費、入院中の雑費などの「積極損害」、事故によって仕事を休まざるを得なくなったことで生じる収入減少を補う「休業損害」、治療を続けても完全には回復せず将来的な収入に影響する場合の「逸失利益」などが代表的です。さらに、事故による精神的苦痛を慰謝する「慰謝料」も損害賠償金に含まれます。
物損事故では車両の修理費や代車費用なども対象となります。賠償額は被害の内容や過失割合によって変動し、加害者側が加入している自賠責保険や任意保険から支払われるのが一般的ですが、自賠責保険には上限があるため、実際の損害がそれを超える場合は任意保険や加害者本人への請求が必要です。損害賠償金は被害者の生活再建を支える重要な資金である一方、適正額の算定や保険会社との交渉は複雑で専門的な知識を要するため、弁護士など専門家の助力を得て適正な補償を確保することが望まれます