交通事故の後遺障害診断書とは?
交通事故の「後遺障害診断書」とは、事故により負った傷害の治療が終了したにもかかわらず症状が残った場合に、その残存する障害の内容や程度を医学的に記載した重要な書類です。正式には自動車損害賠償責任保険後遺障害診断書と呼び、この診断書は、医師が作成するもので、症状固定と判断された後に作成され、自賠責保険へ後遺障害の等級認定を申請する際に必須となります。具体的には、関節の可動域制限、神経症状、視覚・聴覚・言語機能などの障害、また精神的な機能障害や高次脳機能障害などについて、詳細に記載されます。
この診断書は、後遺障害等級認定における根拠資料の中心であり、保険会社や損害保険料率算出機構が障害の程度を評価するための基礎情報となります。したがって、記載内容の正確性や網羅性が非常に重要です。不十分な記載や見落としがあると、本来得られるはずの等級よりも低く認定されてしまい、結果的に適正な補償を受けられないおそれがあります。そのため、必要に応じて専門的な知識を持つ弁護士などに相談しながら、医師と連携を取りつつ作成を進めることが推奨されます。