交通事故の自賠責基準とは?
交通事故の「自賠責基準」とは、自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)における損害賠償の支払い額を算定するための基準のことです。この基準は、交通事故の被害者が最低限の補償を受けられるよう、国が定めた統一的なルールであり、保険会社や損害保険料率算出機構が運用しています。
自賠責基準は、被害者に支払われる慰謝料、治療費、休業損害、後遺障害、死亡による損害などに対して、それぞれ具体的な上限や算出方法が決められています。また、後遺障害等級に応じて支払われる金額も、等級ごとに定められた上限額があります。
ただし、この自賠責基準はあくまで「最低限の補償」を目的としているため、現実の損害に比べて賠償額が少なくなることが多いです。そのため、被害者が実際に被った損害を十分に回復するためには、自賠責保険だけでなく、加害者側の任意保険から追加で補償を受ける必要があります。
なお、示談交渉の際に保険会社が提示する賠償金額も、この自賠責基準をベースにしている場合があります。しかし、被害の内容や過失の程度に応じては、自賠責基準よりも高い金額が認められるケースもあるため、提示された金額が妥当かどうかを判断するには、専門家である弁護士に相談するのが望ましいです。