交通事故の不起訴処分とは?
交通事故の不起訴処分とは、事故を起こした加害者が刑事事件として起訴されず、裁判に進まないことを意味します。
交通事故が発生すると、警察は事実関係を確認したうえで検察庁へ送致し、検察官が「起訴するかどうか」を判断します。
しかし、加害者の過失が軽微であったり、被害者との示談が成立して被害感情が和らいでいる場合、あるいは加害者に反省や賠償の意思が十分認められる場合には、検察官が社会的制裁の必要性は低いと判断し、起訴しないという結論に至ることがあります。
不起訴処分には、証拠が不十分で犯罪が立証できない場合に行われる「嫌疑不十分」と、犯罪の成立は認められるが処罰の必要性が乏しい場合に行われる「起訴猶予」があります。
特に交通事故では、被害回復が適切に行われ示談が成立しているかどうかが重要な判断材料となり、示談の有無が起訴猶予の決定に大きく影響することがあります。
不起訴処分となれば刑事裁判は行われず、前科もつきませんが、民事上の賠償責任が消えるわけではありません。
被害者への損害賠償は別途履行する必要があり、また行政処分として免許取り消しや停止が科される可能性も残されています。
このように、不起訴処分は刑事手続きにおける結論であり、事故の責任が全面的に免除されるわけではない点が特徴です。

